2026/10/27 14:30
数年前にドナルド・トランプ米大統領による政治集会での「Rockin’ in the Free World」の使用を巡って訴訟を起こしたニール・ヤングが、この1989年のヒット曲を無許可で使用したとして再び大統領陣営を相手取って提訴した。
現地時間2026年10月26日、ヤングはトランプ大統領の政治活動委員会(PAC)であるトランプ47コミッティー(Trump 47 Committee Inc.)を著作権侵害で訴えた。米ビルボードが入手した訴状によると、10月12日に米オハイオ州ヤングスタウンで行われた、来たる中間選挙に向けた集会でトランプの入場曲として「Rockin’ in the Free World」が使用されたことに対し、1,000万ドル(約16億円)の損害賠償を求めている。
ヤングの訴状には、「"Rockin’ in the Free World"は、米国の政治的レトリックの空虚な約束と、貧しい人々やホームレス、忘れ去られた人々が直面する厳しい現実とを対比させた、痛烈なアンセムである。歌詞は、赤ん坊を捨てる母親、絶望の中で迷う依存症の人々、繁栄の陰に積み上がるゴミといった路上の光景を生々しく描き出し、繰り返されるコーラスは、明らかにすべての人に共有されているわけではない自由を称えるという、残酷なまでの皮肉を突きつける。要するに、この曲はドナルド・J・トランプが掲げるあらゆるものと正反対なのだ」と記されている。
ヤングは、トランプのPACに対してこの曲の公衆演奏ライセンスを付与しておらず、今後も決して付与することはないと主張している。また、2020年の大統領選の際にも同じ件でトランプ陣営を提訴していたことから、トランプはこれが違法であると認識しているべきだったと述べている。ヤングによれば、トランプ陣営は2020年の訴訟で速やかに和解に応じ、「今後、ヤングのライセンスと許可なく"Rockin’ in the Free World"を使用することは二度とない」と約束していたという。
そして今回、トランプが再びヤングの楽曲を無許可で使用したとされることを受け、ヤングはさらなる不正使用を防ぐための差し止め命令を求めており、さらに多額の損害賠償も請求している。ヤングの弁護団は、「とりわけ、ヤングがドナルド・J・トランプを何らかの形で支持しているかのような含意を生じさせられたことにより、自身の評判とブランドに損害を被った」と記している。ホワイトハウスは26日、この訴訟に関するコメントの要請に即座には応じなかった。
ヤング以外にも多くのアーティストが集会での楽曲使用を巡ってトランプに異議を唱えてきた。2016年にトランプが政界に進出して以来、数多くのミュージシャンがこの行為への嫌悪感を公にしており、訴訟に踏み切ったのもヤングだけではない。2024年には、ザ・ホワイト・ストライプスと故アイザック・ヘイズの遺産管理団体が、それぞれ「Seven Nation Army」と「Hold On, I’m Coming」の使用を巡って訴訟を起こした。ザ・ホワイト・ストライプスの訴訟はすぐに取り下げられ、ヘイズの遺産管理団体は今年和解している。
トランプの2期目においては、TikTokやインスタグラムへの投稿で楽曲が使用されたことを巡り、政権はサブリナ・カーペンター、オリヴィア・ロドリゴ、アリアナ・グランデといったポップ・スターとも対立している。これらの投稿の多くは、トランプ政権下での米移民・関税執行局(ICE)による強制送還政策を宣伝する動画だった。
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